新穂高-北穂高岳滝谷第四尾根 敗退

投稿日: 2017年5月7日 14:58

スタイル: クライミング,積雪期,雪山登山

提出者: morikazu

出発日: 2017年5月3日

帰着日: 2017年5月5日

同行者: K

昨年夏、上高地-北穂高岳-滝谷C沢左俣下降-第四尾根を登った。でも、相棒は以前から、新穂高-滝谷C沢-第四尾根に登りたいと言っていた。つまりは、滝谷を下から通して登り上げるということ。そんなこと私達にできるのだろうかと思った。
夏は、北穂高岳をBCとし、軽荷だったし、A~Dまで続くカンテもクライミングシューズでフリクションを利かせられたので、それほど難しく感じなかった。しかし、今回はフル装備で、しかもアイゼン登攀である。不安もあるが、今年は残雪も多く沢や滝も登りやすいと思うし、3日間晴天が続くという予報で条件がそろったので、挑戦することにする。

 

 

【5月3日】 快晴
新穂高 14:45 - 滝谷避難小屋 EL1750  16:50
自分の仕事の都合で、前夜発はできず、朝一で青森を出発する。
松本は暖かく穏やかだった。GW前半に降った雪でもっと山並みは白いのかと思ったが、途中の平湯温泉から見える笠ヶ岳は思ったより黒かった。
滝谷避難小屋までは残雪が多いおかげで、それほどブッシュに難儀しなかった。滝谷避難小屋は貸し切り状態で、快適だった。

 

 

【5月4日】 快晴
滝谷出合 4:50 - 合流点 EL2250 7:30- C沢 - 9:50 スノーコル EL2700 10:15- 四尾根Cカンテ EL29000  -  14:40  懸垂下降 - スノーコル泊 17:00

今までにないくらい暖かいGWだ。沢を詰めるので、雪崩れや落石が心配される。気温が上がるとやばいので、早出する。
出合から滝谷を見ると、ドームが圧倒的な存在感を醸し出している。そして、下に目をやると雄滝。あの滝の向こうはどんなふうになっているのだろうと、いつも思っていた。
昨年偵察したときは、雪渓が開いていて雄滝まで辿り着くことができなかったが、今年は繋がっていてスムーズにいけた。残雪が多いので小滝のようになっていて、簡単に登れそうな気がした。しかし、取り付いてみると、足場の雪はぐさぐさで、岩に取り付く一歩が踏み出せなくて難儀した。

 

雄滝の上部に着くと、今まで見たことのない滝谷だ。だんだん傾斜が強くなっていく。ナメリ滝も小滝も、雪に埋まっていたので普通に通過。雪が緩んでいるので、踏み込むと、脛から膝下辺りまで潜り込んで、体力消耗。重荷に苦しみながら、ひたすら詰めていく。
A沢~F沢の合流点は、はっきりとすぐわかった。数日前のものだろう。デブリがすごかった。
B沢右岸斜面にソロテント有り。B沢を詰めて北穂にでも行ったのだろうか。
B沢、D沢を確認し、真ん中のC沢を詰める。さらに傾斜がきつくなる。振り返ると朝日が飛騨側の山並みを照らして、さわやかだ。でも、滝谷は谷が深いので、なかなか日が当たらず、いつまで経っても薄暗い。日焼けしないからいいんだけど。
やっと、正面に見覚えのある岩壁が聳え立つ。左にはC沢左俣。夏にあの急斜面を下降してきたのは、忘れもしない。
右の尾根に登ればスノーコル。雷鳥がお散歩していた。久しぶりに会う。昔は毎年のように会えたが、最近はえさを求めてサルが高所まで登ってくるので、雷鳥も激減しているらしい。
雷鳥にしか会っていないし、四尾根にも滝谷の壁にも誰も取り付いていない。北穂から下降しているパーティもいない。コールも響いていない。静かな滝谷だった。

 

いよいよ四尾根へ取り付く。Aカンテを登ってみると、夏に来たときとは印象が違って、本当に四尾根かなと思った。やはり、フル装備、アイゼンでの登攀は難しく感じた。
相棒は、残置ハーケンの他にカム、トライカム、ナッツで、支点を多めに取りながら慎重に登って行く。Bカンテ、Cカンテの間のリッジは、馬乗りになりながら通過した。太陽が登ると雪が緩み、あちこちで雪崩と落石の音が響いた。今日は、ツルムの頭でテン泊予定だったので、悪くないペースだった。
Cカンテは、スタンスがなく、見た感じ行けるのだろうかと思った。相棒も思案していた。相棒が、カンテの左側から取り付いたその時、足が滑って左腕だけが残り、ぶら下がる。なんか顔をゆがめている。アックスから手を離し、ロープにぶら下がりながらうずくまる相棒。腕が抜けたらしい。。。しばらくして安定した体勢に戻り、腕を入れる。痛そうだ。自分は脱臼したことがないので、その痛さは計り知れないが、考えただけでも痛そうだ。
休憩して、痛みを押してまた登る相棒。滑ったところはスリングをあぶみにし、スタンスを作って通過。だが、少し登ってまた顔をゆがめた。また、腕が抜けたらしい。脱臼癖が再発したみたいだ。
この先、さらに厳しい登攀となるので、まだ自力下山できるうちにここで敗退を決める。
腕は上げることは難しいが、懸垂は可能なようなので、慎重に下りる。スノーコルまで下りればテン泊できるので、そこまで頑張った。
無事にスノーコルに着いてテントを張ったら、ほっとした。滝谷の岩壁と上弦の月が見守ってくれていた。敗退はしたが、こんな景色の中で泊まれることは幸せなことだなと、二人で話した。風もなく穏やかな夜だった。

 

 

【5月5日】曇りのち晴れ
スノーコル 5:30 - 滝谷出合 - 新穂高 11:30
夜中、度々、風が強くなりテントが揺れて目が覚めたが、穏やかな朝だった。雷鳥の鳴き声がしている。元気でよかった。相棒も少しはよくなったかなと思ったら、昨日は気が張っていて痛みを我慢していたようだが、今朝は増しているようだった。「ロープを持とうか。」と言うが、「大丈夫。」とのことだったので、ゆっくり下りることにする。
コルからの下りは、バックステップで。あとは、慎重にゆっくり下る。雪崩れと落石に気を配りながら。
明日から天気が崩れる予報なので、合流点にあったテントはもう無くなっていた。
雄滝は、懸垂下降。昨日より雪の状態は悪くなっていて、登るのはさらに難しい状態になっていた。
滝谷出合に着いたら、登山者がちらほらいて、ほっとした。芽吹いたふきのとうがかわいらしく見えた。今回の反省をしながら、新穂高へと帰った。この敗退もいつか笑い話になるよう、また頑張ろうと話しながら。しばらくは安静にして、早く治ってほしいと願っている。

 

 

◆成果
・滝谷出合から稜線まで繋がって、滝谷の概要が掴めた。
・落ち着いて判断して、焦らず敗退できた。
・経験値が広がった。

◆課題
・無雪期と積雪期の登攀のレベルの違いを見せつけられた気がした。八ヶ岳で練習してきたとは言え、所詮、BCに荷物を置き、軽荷で登るスタイルではだめなんだなと実感した。フル装備+アイゼン登攀ができて、初めてアルパインと言えるんだと、反芻した。登攀のレベルアップ、体力のレベルアップ、さらなる軽量化。

 

 

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