剱岳 早月尾根 (敗退)

投稿日: 2019年1月14日 21:19

スタイル: 積雪期,雪山登山

提出者: morikazu

出発日: 2019年12月30日

帰着日: 2019年1月1日

同行者: K

昨年も計画したものの大雪寒波のため、挑まずに中止。南アルプスへ転進した。
今年こそは天気がよくなることを願いながら、申請書を作成した。富山県から受理印が押された申請書が返ってくると、うれしくて部屋に飾った。それから天気予報とにらめっこの毎日だった。
ところが、クリスマス寒波に続き、年末年始寒波が来るとの予報。。。おまけに、悪天で遭難者も救助できずにいるとのこと。どうしようかだいぶ迷ったが、とりあえず行けるところまで行ってみたいという気持ちが強く、29日入山を1日遅らせて30日からに変更することにした。

 

 

【12.30】風雪
伊折EL423 8:45-馬場島EL760 12:10~12:50-松尾平EL1030 14:07-テン場EL1270 16:15

 

早月尾根は夏場であれば馬場島まで車が入れるそうだが、冬場は除雪していないので伊折からとなる。馬場島まで8kmの道をとぼとぼ歩くことになる。伊折には5、6台ほど車が止まっていたが、富山ナンバーは警備隊の方の車なのかなと思った。
早月川沿いの道を、脛ラッセルで24㎏のザックを背負い、第一目標の馬場島へと向かう。
馬場島へ着いたら登山指導センターに寄り、申請書のチェックとヤマタンをもらう。ヤマタンとは簡単に言うとGPSのようなもので、万が一遭難したとき掘り起こしてもらうために身につけるものである。その時は、もう死んでいる時であるが。。。
警備隊の方からいただいたヤマタンには名字ではなく名前が書いていて、新鮮な気持ちになる。お守りとして首にかける。
警備隊の方の情報によると、クリスマスから入っているパーティが2、早月小屋までは腰ラッセル、その先は肩~頭ラッセルとのことだった。そんなラッセルって、息できるの?と、驚く。
昨日入山したパーティもラッセルで苦しみ、諦めて今日下りてきているパーティもいる。私達のテン場の1300までも行けないかもしれないと告げられる。
とりあえず、「無理はしません。頂上とか考えていません。行けるところまででいいんです。来年に生かす経験のために、勉強しにきたので。」と、謙虚に気持ちを伝える。
馬場島から出発すると、続々、下山してくる人がいた。警備隊の方が言っていた通りだった。
でも、そのおかげで、馬場島からはトレースがあったので、少しらくだった。
「試練と憧れ」の碑は雪で埋もれていて「試」と「憧」しか見えなくなっていた。
本当に試練と憧れという言葉がぴったりだ。
早月尾根は、いきなり急登の樹林帯で息が上がる。約100m上がると少しなだらかになり、松尾平(テン場適地)に着いた。平らなので、返って迷いそうだった。実際、トレースは迷っていて引き返したものもあった。ここを自分たちでラッセルするのは難しいなと思った。まだ時間があるのと、トレースが残っているうちに少しでも前に進んでおきたいという気持ちがあり、予定通り1300手前まで進むことにする。
天気は雪が時々強くなるものの、弱くなるときもあり、合間を見計らってあの遭難者を捜すヘリコプターが飛んでいる。早く助けてあげてほしいと思うも、16時過ぎまで飛んでいた。
松尾平を過ぎると尾根が細くなり、テン場適地が少なくなる。
1260辺りでいいところがあったが、下山してきたパーティの5人用テントが張られていた。上はもっと細くなって大きいテントを張る場所がないので下りてきたとのこと。昨日入ったパーティはほとんど下山し、前に2パーティいるとのことなど情報をもらった。トレースを利用させていただいたお礼を述べ、私達はそのすぐ上に張らせてもらうことにした。まさか、予定通りの場所まで辿りつけるとは思っていなかったので、先行パーティには感謝感謝だった。

 

【12.31】曇り時々晴れ
テン場 7:50-早月小屋EL2220 14:20

 

7時にはヘリが飛んでいた。昨日、救出できなかったことがうかがえた。

もたもたしていて出発が遅くなった。5人パーティは1時間前に出発していた。
1300~1500までは尾根が細くてテントは張れない。1580くらいにテント跡1、1640もテント跡1、1720は広くてテン場適地。来年にいかせそうだ。
1900くらいで知り合いが登ってきた。今朝、馬場島から来たとのことで、とても健脚なパーティだ。でも、それもトレースがあっての話。先行パーティのお陰なのだ。
11時になったら、ぱったりとヘリの音が聞こえなくなった。今日が救出のタイムリミット。無事に救出されたのかもと思う。
2070で先頭パーティに追いつく。トレースのお礼を述べ、ラッセルに合流する。先頭2人は空身で、3人目からはザックを背負ってラッセル。日本海側なので剱の雪は水分含んで重いのかと思いきや、ラッセルしてるとそんなことないなと思った。わかんを履いていると沈まないし、オーバーヘッドラッセルすると舞い上がった雪が首元から入ってくるほど軽かった。
返ってザックを背負った3人目のほうが、大変に感じた。沈み込むし、重いしで、疲れる。今朝、馬場島から来た人達が続々と合流し、ラッセル隊は20人ほどになった。みんなで一体になってのラッセルは、楽しくも感じた。なんと言っても、天気が回復して青空まで見えてきたし、早月小屋も見えてきたし。この日が一番いい天気だった。
早月小屋に着いたら、感動。まさか、ここまで来れるとは思っていなかった。みんなのお陰でここまで来れた。ありがとうしかなかった。
早月小屋は思っていたよりも立派な小屋で、警備隊の方が在駐していて心強かった。テン場も広く、快適だった。
警備隊の方からまた情報をいただく。クリスマスに入ったパーティ2。法政大学パーティが今日、2600過ぎにフィックスを張る作業を終えた。社会人パーティは2700までトレースをつけたとのこと。すごいなあ。頂上に行くまでに、そんなに時間と労力が必要なのだなと、改めて剱に登ることの大変さを知った。
ここまで来れたので満足だが、山頂はガスの中で見えていない。明日は午前中まで天気は保つが、午後からはまた悪天になるとのことなので、初日の出を見に、トレースがついているところまで行ってみることにする。

 

【1.1】晴れ後曇り
早月小屋EL2220  4:20 - EL2660 5:50- 早月小屋 7:50~9:05 -松尾平 -馬場島12:05~13:20 -伊折15:48

 

ヘッテンを点して、薄いトレースを辿って行く。知り合いのパーティも一緒なので心強い。所々吹きだまりはトレースが無くなり、トレースを外すと一気に足をとられる。剱が見えるといいな。。。剱に会えるといいな。。。と、想いを馳せる。
途中、ビバークしている社会人パーティのテント脇を通る。トレースのお礼を述べ、頑張って山頂まで行けることを願っていることを伝える。
日の出にはまだ早かったが、暗闇の中にうっすらと剱の姿が見えたときには、うれしかった。2650過ぎ、その先から核心が始まる。ここで終わりとする。
刻々と空が朱くなり、目の前に剱本峰と小窓尾根が浮かび上がる。静かに見つめる。厳しくて美しい剱に会えて感動!ここまで来れたことに、感謝しかない。
別れがたいが、寒いので下山。下からは後続パーティが上がってくる。振り向くと、モルゲンロートの剱がさらに美しさを増していた。この剱に憧れて、みんな試練を乗り越えてくるんだなと思った。目の前には毛勝三山も美しく佇んでいた。
天気は予報より早く崩れてきているようだった。早月小屋に着いたときには、もう山頂はガスっていて見えなくなっていた。
閉じ込められる前に下山。法政大学パーティも登頂を諦めて下山するとのこと。昨日のトレースを辿る。
馬場島に着いたら、指導センターに寄り、ヤマタンを返却する。お守りだったので返しがたかった。3日間、ありがとう。
それから、また伊折までの道が長く苦しい。重荷がさらに重く感じる8kmだった。
寒波の中、先行パーティのトレースのお陰、他力本願で予想以上に上に行くことができ、敗退でも大満足で下山した。でも、まだ核心は行っていないので、この経験をいかして、また剱に挑戦したいと思う。

 

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